(4)任意売却のメリット

任意売却は競売と比較するとたくさんのメリットがあります。

(1)売却価格が一般的な相場に近い

競売で売却すると強制的であり、多くは市場価格より低い価格で取引されます。
競売では、新聞やインターネット上に物件情報が公開されますが、その情報は少なく、入札者が建物の中を自由に見ることができません。
つまり、買う側にとっては購入した物件が良いものかどうか見極めが難しくリスクがある状態です。そのため、市場価格より低い金額で売却されていくのです。

また、競売は任意売却よりも諸経費が多くかかります。

任意売却の一番のメリットは競売で売却するより、高く売却できて経費も少なくて済むということです。売却後の残債が少なくなりますから、したがってその後に返済する額が少なくて済みます。

(2)プライバシーについて

任意売却は、一般の不動産売却と同じように販売が進んでいくので、周囲からすると、ローンを滞納して競売間際だということを知られることはありません。
また、競売開始となっていたとしても、任意売却により競売取り下げができますので、その情報(競売の詳細情報)は削除されます。

競売による不動産売却には、現場調査として調査官が訪問し写真撮影をしますが、それ以外にも自宅周りに人が来ることがあります。物件情報は新聞やインターネットで広告が出されることになりますが、それを見た購入希望者がご近所に聞き取りをしにくる場合です。
急に自宅周りが騒がしくなり、近隣の方にも競売のことが察知されます。

(3)費用について

通常、不動産売却には登記料その他の経費と売買価格の3%+αの仲介手数料がかかります。
この費用は、債権者(金融機関等)より、任意売却で得られた代金の中から配分する仕組みとなっているため、ご依頼者からの持ち出し費用は必要ありません。

(4)残債について

競売後の場合、残債は債権者からは一括での返済を迫られます流ので自己破産する場合も多いのですが、連帯保証人がいる場合は、自己破産をするとその方に返済の責任が映り、大きな迷惑をかけてしまうことになります。

任意売却では、自宅売却後の残った債務は、債務者と債権者で話し合い、無理のない範囲で分割で支払っていくことができます。その額は、そのかたが支払える額であり、現在の生活状況から判断されます。

(5)引っ越し時期と住み続け

競売は強制執行のため、住み続けたいという希望や引っ越し時期などの要望は通ることはほとんどありません。引渡命令が出ると、そのまま居続けることは不法占拠者という扱いになり、相談者の希望に関係無く、強制立ち退きとなります。しかし、相談者の中には、病気や介護中の家族が居る、あるいは子供の学校事情に合わせて卒業までは住み続けたいという場合があります。任意売却ではこういったとき待機時期は交渉が可能です。
場合によっては賃貸物件として家賃を支払いながら住み続けることも望めます。(=リースバック)

(6)引越費用

競売の場合は立退料は望めません。
任意売却の場合は、債権者やその他交渉により、引越費用を工面できる可能性があります。

以上のように、任意売却には様々なメリットがあります。
強制的に売却されてしまうのでは無く、相談者の意思で売却できるというのが大きな利点です。
自宅を手放してしまうのなら、競売でも任意売却でも同じ、と思われるかもしれませんが、売却後の再スタートに大きく差がつきます。

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